2013年3月4日月曜日

聴欲 みみグリード


レコードを買う。最近は殆ど通販で買う。レコードが届く。
まあ、後で聴けばいいや。別に今じゃなくても。未聴のレコードを棚にしまう。

実はここずっとこんな塩梅で、聴きたい欲が減ってしまったと感じていた。特に平日の夜にこの傾向が非常に強い。聴かずにしまったレコードは結局ちゃんと聴くけれども、昔ほど音楽に対する気持ちが沈んでしまったようで非常に悲しい。

わたしの中から、貪り食うように貪り聴く耳グリードは消えました。合掌。低頭。さようなら。

しかし、先週の土日。珍しくライブも練習も家の用事もなかったのでレコードをかけたところ、これが異常に楽しい。何となく棚から選んで適当にかけたり、1枚のEPをひたすら繰り返して聴いたり、唐突にムスメが踊りだしたり。結局、買い物に外出する数時間以外は何らかのレコードがほぼかかりっぱなし。それくらい楽しかった。

わたしの耳グリードはまだ残っていました。地獄に仏。馬の耳にもビニル。豚に針。

考察すると、原因がわかった。去年の震災以降、何かあった時にすばやく情報を得るために職場でラジオが設置され、勤務中はずっとラジオがかかっている。そのラジオから「わたしはあなたが好きよ死ぬまで」とか、「人生はすばらしいあなたは一人じゃない」とか、「盛り上がっていこう」とか、「さみしいよ早く来てお願いプリーズ」のような末期的かつ抽象的、結局何が言いたいのか全くわからないフレーズが耳からゲロが出そうな曲に載って襲ってくるのである。結果、10~12時間の仕事を終えた頃には耳イッパイ。勘弁してつかあさい。もう食べれません。

どうせ耳イッパイになるならバットホールサーファーズでイッパイになりたい。
ラジオ局のひと、どうぞ宜しくお願いします。

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